グランデス冒険録

八章・玄都奪還戦線(前編)
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巨蟹の月二日

ギアルダ城

玉座の間

その日の朝はギアルダでも名うての冒険者が一堂に集まっていた
八区対抗闘技大会の巧都予選の開会式があったからだ
程鉄達はその開会式後の昼から、レミリエルに呼び出された
ミッションを受ける為である

レミリエル『んと
今回、君達を呼んだのは玄都の調査を依頼する為
知っての通り、玄都は今アンデットが占領してる状況だから、危険だとしてポータルのエネルギー供給も断ってる
けど、今の君達なら、調査に出しても大丈夫な筈
君達に特例で玄都近郊の領土のポータルを作動してあげるから、調査に赴いて欲しいんだ
これは、八王全員が賛同してるよ』

程鉄『危険な任務か
まぁ、冒険者なら何れは避けて通れないよな』

レミリエル『それと
まさか、リンクスワーカーにアリスが居るとは思わなかったわ
いや、昨日メールで聞いたけどさ』

アリス『久しぶりね、レミリエル
私の領土も陥落したから、貴方の領土に亡命したわ』

程鉄『そこらは後で話すとして
どの辺りを調査するんだ?』

レミリエル『それがアリスの居た領土なのよ
農国『ハーウェスト』その調査よ
ハーウェスト陥落は玄都と同じで五年前、生存者の発見は絶望的だと思うわ
それでも、発見できたなら、報酬は上乗せするわ』

程鉄『五年か
それでも、もしかしたらがあるかもな』

将軍『程鉄殿、此方を』

将軍は何やらレーダーらしきものを差し出した
程鉄はこのレーダーを見ただけで、どういう物か把握した

程鉄『生体レーダー?』

将軍『ええ
生物にのみ反応するレーダーです
程鉄殿に預けた方が良いと判断しました』

程鉄『助かります
これ、有効活用しますね』

程鉄は首にレーダーをかけた
ネックレスのように首にかけれるので、行動の阻害はされないのは助かった
ミッションの決行は明日、準備も兼ねて今日は解散した

その日の夜

山猫荘

アトリエ

程鉄は程徳達と装備を開発していた
程徳やニコは軽装備が、程鉄は重装備が得意であり、それぞれ作業をしていた

程徳『兄さん
今回のミッション、大丈夫だと思う?』

程鉄『正直、厳しいと思う
だが、暢気に事を構えてる訳にはいかないだろうな』

ニコ『そうだね
程徳君は逆にどう考えてるの?』

程徳『少しリスキーかな
まぁ、踏み込まないと得られない情報もあるんだけどさ』

程鉄は鎧を作り上げ、野太刀で試し切りをした
鎧は野太刀の攻撃をしっかり弾いたが、傷がついた

程鉄『傷は仕方ないにせよ、斬撃に対する高い防御は得られた
打撃耐性も欲しいが、うーむ』

ニコ『重ね着とかかな?
打撃耐性を得られる服は何種類かあるし』

程鉄『重ね着か
そう言えば試した事が無いな』

程徳『この機会だし、試したらどうかな
兄さんの防御、紙だし』

程鉄『それは徳もだろ?
ローブは魔法防御こそあれど物理防御はお察しだろうに』

ニコ『どっちもどっちでは?
私も防御は貧弱ですが』

程鉄『盾役はもう一人必要だね、うん』

それで解決するかは別にして、装備の開発をしていると、棚の中から古びた設計図を見つけた
内容的には何かのカラクリのようだが、程鉄には解らなかった

程鉄『これは何だろう?』

程徳『あれ
この設計図、程銅御爺さんの名前が載ってるよ?』

程鉄『え、お爺様の名前が?』

程鉄がそれを踏まえて改めて設計図を眺めると、確かに程銅の名が刻まれていた

ニコ『程銅さんって確か
第一次アンデット戦役の英雄でしたっけ?』

程鉄『うん
程一族の初代の当主でね
最初の八王を締結させた事で一躍時の人になったんだって話を聞いたよ
そんなお爺様の遺品が此処にあったか』

程徳『んー
作れるかもしれないよ
見た事無い資材が幾つかあるから、それを見つければだけどね』

程徳が設計図に書かれた資材を確認すると、幾つか見知らぬ素材が散見した

ニコ『確かに見た事はありませんね
段三さんなら何か知ってるかも知れませんね』

段三『お、呼んだかの?』

ニコの声に反応するように、段三が現れた
段三が設計図を見ると、少し驚いた顔をしていた

段三『程銅が未完成にして逝ったカラクリ『鉄巨人』の設計図じゃな
あ奴は魔法に強い機械を開発しててのぅ、年老いても尚、開発の手を止めなんだ
此処に設計図を置いておったか』

程鉄『お爺様とも知り合いなのですか?』

段三『そうじゃよ
と言うより、儂は二千年以上生きておるからな
旧文明についても、少しだけなら知っておるよ』

程鉄『段三、貴女はもしや?』

程徳『ダンピール!?』

段三『ははは、流石に気付いたか
うむ、儂はダンピールとターヌのハーフじゃ
じゃが、ダンピールとターヌのハーフはかなり稀少でな、産まれること事態珍しいのじゃよ
何より基本的に拒絶反応を起こすでな』

段三はそう言うと小さな翼を広げると
忌々しそうな顔をしていた

段三『のう、程鉄
こんな儂に、それでもお主は友と言うのか?』

程鉄『ええ、二言はありません
何より、段三には助けられてますから』

段三『本当に、お主達は情が深いのぅ』

彼女の顔は忌々しそうな顔から、驚いたような顔になった
ダンピールは人族側に属するとは言えアンデットであり、程鉄にとっては敵対する存在である
それでも、程鉄は友と言ったのだ、驚くのも無理はない

ニコ『段三さんは悪い人にも思えませんからね』

程徳『それに、ダンピールは人の血を啜らないでしょ?』

段三『いや、まぁそうだがのぅ
お主ら、本当に情が深いのじゃな』

段三は袖から見知らぬ素材を二つ、机に置いた
ひとつは鉱石、もう片方は見た事がない液体である

段三『鉄巨人は普段のカラクリとは異なる資材を使っておる
旧文明においても作業・戦闘の二つが担当でのぅ
それを軽量化したのがカラックやギアーリのルーツであるオートマトンなのじゃ
ただし、その動力たる資源が見当たらぬでな』

程鉄『それで廃れたと?』

段三『まぁ、実際はその資源の採掘等が一苦労だからというのもあるがな
何せ当時と現在では技術の面ではギアルダ以外は劣るからのぅ
ソイツを取ってくるのも一苦労じゃったよ』

若干古ぼけてはいるが使える物であると、程鉄は見て判別出来た
しかし、開発には時間が必要なので、その日は作らずに次回の課題とする事になった
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