2019年03月12日(火) 【シンドラーのリスト(補足あり)】 1994年公開 だったはず 一番観ている作品。 誰かが言うわけ「シンドラーのリストは落ち込む映画だ」って。 病む系・胸糞系って。 私は腹で《愚か者めが!!》と毒づく 確かに滅入るような描写も多いが、戦争映画で滅入らないなんてないんじゃないのさ? 私はニーソンとキングズレーの二人を中心に観るようになってから、見終えた後のモヤモヤとか気の重さみたいなものは無い。 初見の時はSSのゲットー解体場面を夢にまでみて飛び起きる程、強烈に脳裏に焼き付いてしまったが、 時間をかけて何度も見返す内に、ニーソン以外にこの役は務まらないだろうと思うほど、ニーソンという役者の理解力というか表現力の窺える素晴らしい作品なんだと実感した。 DVDの表紙に何か意味が有ると捉えて方もいる筈。 私の解釈は、 劇中では二人の人生は一瞬足りとも交わらないのだけど、 (彼は丘から彼女を見付けるが…) 物語の最後で、シンドラーはシュターンに崩れ落ちる様にすがり 「一人救えたんだ!」と、後悔の激しさを涙しながら訴えます。 その前にシュターンは一度「この紙の周りは死です。」 と言って、シンドラーが救いだした人々の名が載るリストを手に取りシンドラーの目の前でリストの縁を指すのだけれど、 そのリストに載る事の出来なかったシンドラーの《一人りだけでも救いたかった》という思いを表現した形がこのジャケットデザインかなと解釈しています。 時系列で撮影を行っていたのかは分からないですが、もし時系列ではない撮影だったとしたら、もうニーソンは生ける演技の神でイイじゃない!って思う。 特典とかのメイキングをみていると、時系列撮影の方が役に入り易くて失敗も少ないなんて話す方もいるようなんですが、 ニーソン、序盤・中盤・終盤でリフトダウンでもしたの?って位別人になっている。と、私は感じた。 メイクでクタビレ感を出してはいるんでしょうが。 序盤、キャバレー?で獲物を狙う捕食者の如き鋭い眼光で自分に利をもたらす者を物色している訳です。 自分は間違えようのない正しい道を歩いてるという、強い自信。 ちょいちょいシュターンが勝手にやらかすから「いやお前止めてくれよそういうのマジで」みたいな 俺の利を何故お前が損なわせようとするんだ! みたいな姿勢をとってるのだけど、 シュターンとの関係にも徐々に変化が現れて、そんな時に片腕の《熟練技師》を失ったシンドラーは 自分《以外》に気付くというか、利益の《周りに在るモノ》に心が向いていく そしてゲットーの解体で、彼は見付けてしまうのです。 《小さな誰か》を 彼は人の流れを掻き分けSSから逃げる小さな誰かに目を奪われる 小さな誰かが人波にのまれ姿を消すと僅かに目を細め小さな者を探す。 ともに馬を駈って丘まで来た女が 「もう行きましょう」と涙を滲ませた声で言う。 …この辺からグイグイとシンドラーという人物に引き込まれてしまう。 多分完全に、シンドラーは《利益の周りに在る者》を意識して行動にも出ている感じに シュターンへの信頼も揺るぎのない確かなものに。 目付きも序盤の時とは違ってきている。 私が一番好きな場面は、 逃亡直前でシュターンから指輪を渡されたが誤って落としてしまう、シンドラーはみっともなく慌てた姿で指輪を拾い上げる…あの場面から頼りのない寂しげな表情で工場を後に去っていく所が、何度観てても苦しくなる。 そして次に好きなのが、 ちょっとだけ書いたけどシュターンがシンドラーの読み上げた名をタイプして纏めた《生のリスト》をこれがどれ程かけがえのないものかとシンドラーに語る場面。 シュターンは顔をしっかりと映しているのだけど、どうしてかシンドラーは背後からの撮影にとどまっている。 これは、この瞬間からシュターン達ユダヤ人が確かに生きられるという希望へのささやかな表現になっているのかな?と、思えてならないです。 では何故これ程尽力したシンドラーが背後のみの演出になっているのか? と、なるのですが… 多分ですが、シンドラーという人物の人間性みたいなものをもしかしたら表現したのかな?と。 彼は、自分の利益には損得激しいけれど、いち人間としては危険な橋は渡ったかもしれないけれど、 《でも、当たり前の事をしただけだろう?》 等と飄々と言って退けてしまう、そう考える人物だったのだという表示なのかもしれない、とか 彼の計り知れない後悔の一部を表現したのかも? リストから零れて死の淵側へ行ってしまった者への申し訳なさとか、そういったもののより深い理解というか後悔?懺悔みたいなものなのかも知れないなと考えてみたり。 ジャケット同様、様々な捉え方が出来てしまう意味の深げな場面だと思ってます。 監督も凄いけれど、 私はニーソンだったからこそ、ここまで素晴らしい作品になったのだと思う。 戦争の引き起こす集団心理や人間の心理は恐ろしいものだというのも、伝わってきますが。 あの瓶詰め靴墨のちゃっかりメガネが、選ばれた側の傲慢な一面を表現していますよね。 01:42 コメント(1) [コメントしてく] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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