1/3ページ目 信じられなかった。 何を言われたのか判らなかった。 だってよ、あれだろ? 俺と左之は試衛館の頃からずっと一緒に戦って来たんだぜ? 京でも、長州や薩摩相手に、時には鬼共相手に隣で戦って来たんだ。 俺の隣で笑う左之の、その隣で俺も笑いながら剣を振るうのが、当たり前だと思ってきたんだ。 なのに・・・。 「女の為だと・・・?」 たかが女の為に、俺から離れて行くってのか? まだ出会って数年しか経たない、こんなちっぽけな存在の為に、仲間の俺を置き去りにしていくってのか。 「ふざけんなよ・・・。」 俺の呟きは、きっと左之にも届いていた筈だ。 けど奴はただ笑って「悪いな新八。」 なんて、言いやがる。 千鶴は千鶴で、左之の後ろで俯いたまま。 俺に目を合わせるでなく、ただ黙って俯いたまま。 ここで別れたら、きっともう会えねぇ。 そんなのって無いだろう? お前等が追いついて来てくれた時、俺がどんなに嬉しかったと思うよ? 俺が・・・どんなにお前等を・・・・お前を待ってたと思うよ。 お前は京でも笑ってたよな。 辛い時も、苦しい時も、笑ってたよな。 俺はそれを見るのが辛かった。 泣きたい時は泣けばいいと、我慢なんかしなくていいって思って、けど、お前は俺の前じゃ泣かなくて・・・。 お前が泣くのは、左之の前でだけだって知っちまってからも、それでも左之が俺といる限りはお前の笑顔が見れるんだと、思ってた・・。 そうして気付く。 気付いちまう。 俺は、左之と離れるのが悔しいんじゃねぇ。 お前と、離れるのが辛いんだって事。 [指定ページを開く] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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